8月18日から8月24日までの尾道滞在の記録後編。

8月18日

早いもので尾道に来て一週間。今日から折り返し。何と言うかイマイチ実感がない。買い物に行って、料理をして、洗濯をして、掃除をして、そして長江の家から光明寺會舘に移動する。たったこれだけの事で意外と時間が過ぎていく。一つ一つに、自宅で暮らしている時よりも時間がかかっているのだろうか。自宅にいる時は一つ一つもっとあせってやって色々と短い時間でこなしているのだろうか。會舘でちょっと滞在制作らしき事をするとすぐに夕方になってしまう。それと、思いのほか展示の設営作業に時間がかかってしまった。

朝、妻から小包が届く。トマトソース、唐辛子のオイル漬け、イワシのオイルサーディン、茄子、バジル、パスタの麺、パン、味噌、小麦粉、ベーキングパウダー、などなど、、、何か凄い量だな。あと一週間で帰るんだけど、と思いながらもありがたい。

今日から展覧会「彼方に吹く風」が公開。白水さんが早速来てくれる。白水さん、wassaんと一緒にカレーを食べに出掛ける。昼間、青空が覗いていて、尾道に来てなかなか遭遇しない良い天気に少しテンションが上がる。でも、風はどことなく涼しくて、ギラギラ太陽が輝く季節はもう過ぎ去っていた。夏はもう終わりだな。暑いけど。

會舘に戻って皆でかき氷を食べる。イチゴ、桃、梅、赤シソ、ヨーグルト、珈琲など色んなシロップがあって2種類をチョイスしてかけてもらえる。オーソドックスな組み合わせは飽きたぜ!あらたな味を追求しなければならん!とかなんとか言って、珈琲&イチゴをチョイスしてみる。まだ、誰もこの組み合わせをトライしていないとの事。

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う〜ん。いや、

食べれなくはないんですけどね、、、

イチゴの酸味と珈琲の苦みを喧嘩して、合わないですね。
別の方がチャレンジしていた、珈琲&桃は結構いけた。あれは普通に頼んでも良いと思う。

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注文していたOHPフィルムが届いて、ようやく朝弘さんの作品を展示出来る。奇麗な作品。とても場所にマッチしているなと思った。何人かのお客さんと話をした。でも、まだイマイチ展覧会の実感をつかめない。こういうモノなんだろうか。

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そうそう、4日間尾道にいたwassaんが一旦大阪に戻っていった。ワークショップをしに23日にまた来るんだけど、ひとまず今晩から一人生活。晩ご飯は、送ってもらった、唐辛子、茄子、オイルサーディンでトマトパスタ。明日は、もう一度白水さんに会って、今度はちゃんとインタビューを。

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8月19日

火曜日。朝のゴミ出し。今日は光明寺會舘は定休日なのだけど、午前中に東京からお客さんが来て大事なミーティングのために早めに身支度を整えて出掛ける。朝からなかなか厳しいミーティング。でも、まぁ何となくこうなる事をどこかで分かっていたのかもしれない。結局の所、自分のやりたい事は自分の力でやらなきゃならないって、当たり前の事でした。本当は、10月ぐらいにとか思っていたのだけど、公開が早くなりました。2014年夏、月夜と少年は『未来圏』というウェブメディアを創刊します。遥か遠い未来に想いを馳せる事が、今、必要なのではないかと思っています。少しでも、この活動を広げられたらと思います。未来圏の住人となってこのウェブメディアの記事の配信を支えて頂ける方をお待ちしております。ちょっと、色々と大変なんだけど、この展覧会の期間できっと良かったのだろうと思う。

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長江の家でささっと昼食をとって、會舘で展示の調整。遅れていた朝弘さんの作品もようやく整った。光と風がとても美しく感じる空間になったと思う。是非、お近くの方も、そうでない方も展示を見に来てください。そして100年後の未来に想いを馳せて下さい。

展示がようやく整ったので写真撮影をと思ったけど、今日の尾道はとっても良い天気で、光明寺會舘の2階は灼熱空間。じっとしていても汗が吹き出て来る。なかなか集中仕切れずに、會舘での仕事を切り上げる。ハライソ珈琲に切らしていた豆を買いに。そしたら、吉崎さんがうちの豆は挽いて売りたくないと、いや、長江の家にはミルがないし挽いて下さいよ、とかゴチャゴチャやってたら、これ持って行きなと、ハンドミルを貸してくれた。自宅で使ってるのと全く同じやつだ。うれしい。ありがとうございます。吉崎さん。

ダイソーに寄って爪切り、吉崎さんにヤセ過ぎだと言われた(だいたいどの人に会ってもヤセた?と聞かれる)ので、豚肉などをスーパーで買ったりして一旦長江の家に戻る。それにしても今日は暑いな。昨日、夏は終わったとか書いたけど、まだ終わってなかったかもしれない。夕方から白水麻耶子さんのインタビューがあるので、準備を整えて再度出掛ける。

山手にある白水さんの自宅兼アトリエ、とても素敵場所だった。アトリエというか、人の創作空間に訪れるとよく思うのだけど、彼女の部屋は特に空気の密度が濃かった気がする。そういう場所って何となく、時間の感覚とか狂ってしまうんだよね。本人は別に何とも無いんだろうけど。インタビューもあっという間に時間が過ぎて、晩ご飯までご馳走になってしまう。レッドカレー炒め。タイ風の皿飯がとても白水さんに似合っていたし、美味しかった。ご馳走様でした。そして長時間のインタビューありがとうございました。

吉崎さんに借りたミルを使って、珈琲をいれて白水さんのインタビューを反芻しながら、これを書いている。尾道って本当に、ユニークな土地だなと改めて実感した。しかし、今日は少し疲れたな。シャワーを浴びて寝よう。

8月20日

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引き続き光明寺會舘は定休日。午前中に洗濯と掃除。気温も上がって、気持ちいい風も吹いていて、洗濯物がパリッと乾いた。尾道に来て、短時間でこれだけ気持ちよく洗濯物が乾いたのは初めて。掃除機をかけて、昼食をとってから休みの光明寺會舘へ。静かで、仕事もはかどる。途中小野さんが来て、長江の家に新しく設置される本棚に選書を頼まれる。嬉しいな。出来れば滞在中にリストアップしてみよう。そして、今度は亀ちゃんが来る。休みの日なのに、皆會舘が好きなんだなぁ。アイスカフェオレと、お土産のバターサンドを出してくれた。美味しいな。原稿も結構進んだ。7時前、暗くなって来たところで帰る。

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少しだけ、海岸の方に出てぼんやり。自転車で走っているだけで、何となく哀愁を感じる。尾道という街がそう感じさせるのか、夏の終わりがそう感じさせるのかは分からない。昨日インタビューをした白水さんとも話していたのだけど、尾道って例えば大阪みたいな都市とかと比べて、生と死のサイクルを身近に感じる。山が近いから虫だらけだし、草木も元気だし、排水溝をどこかの家から流されたお風呂の水が流れて行くし、何かね人間の生活も、自然も凄く生々しい。都市ってそういうのを、隠そう隠そうと必死になって作っているんだなと思う。

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家に戻って、久しぶりに出汁を取る。豚肉としめじのキムチ炒め、キュウリとナスの酢の物、トマトとタマネギのサラダ、人参の味噌汁、ご飯というメニュー。片付けを終えて珈琲を淹れていたらカナブンがどこからか迷い込んできた。

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8月21日

午前中、ハライソ珈琲の吉崎さんと一緒に、向島へ。10月に、佐立努というシンガーソングライター、マリンバ+ギター+ドラムの変則トリオユニットcirce、イタリアからMattia Colettiという音楽家を招いて西日本ツアーを企画しているのだけど、ツアー最終日の
13日が尾道公演を予定していて、その会場の下見。会場となるRyokomamaの家という場所、もう最高です。2階の広いリビングルームは芝生の庭に続いていて、その先には180°パノラマに広がる島々の浮かぶ瀬戸内海。これ以上無いロケーション。音楽が無くても、いや、それはだめなんだけど、ここに来るだけでも最高の価値のある場所。こんなところで、佐立さんにcirceにマッティアの音楽が聴けると思うとホント胸が高鳴りまくる。実は、その前日12日も岡山の港でやる事になりそうなんで、瀬戸内海を巡るツアーになりそう。正式な情報のリリースまで今しばらくお待ちを。9月のアタマには発表できるようにします。

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昼過ぎに興奮冷めやらぬまま會舘に戻って、諸々原稿書きを進める。しかし今日は暑い!!四六時中汗が吹き出してきてビショビショ。光明寺會舘周りの写真撮影など、こなすべき事をこなす。途中、野菜が安く売っているという情報を聞いて、商店街の方へ土曜日のカレー用に野菜を買いに。袋一杯に詰めて200円!!なんだかんだやっているうちに、夕方になって、7時から會舘で英会話教室に参加。ジャマイカから来ているショーンが先生。なかなか面白かったな。やっぱりこうやって少しでも英語を使う機会を維持しとかないと忘れていくんだよね。教室が終わってから2階の展覧会をちょっと案内して説明とかしてて、改めて感じたけど、作品をロジカルに説明するのに英語ってすごく便利なツールなんだよね。こういう場所での英会話教室、広がっていくと良いと思う。

10時を過ぎてから、先日のgreenz.jp の取材の続きで、光明寺會舘の共同代表の一人小野さんにインタビュー。なかなか面白い話を聞けた。光明寺會舘という一つの場所について、三上さんと小野さん二人の代表からそれぞれに話を聞くというのは面白い体験。尾道のここ数年の動きがかなり立体的に見えてくる。これをどうまとめていくのか、かなり手腕が問われる。頑張れ俺。

帰ったら11時半。パスタをちゃちゃっと食べて、これを書いている。さ、シャワーを浴びて寝よう。今日は疲れた。

8月22日

朝、ゴミを出しに行ってしばらくしたら豪雨。数日前の広島の豪雨被害の事を思い出す。ここの山手も崩れたらやばいよなとか思いながら二度寝。ひどい雨の音、雷に揺れる窓。一人だとやっぱり少し心細い。朝ご飯を食べて、雨の様子を伺いながら珈琲を飲む。その時、何だか吉崎さんの珈琲に救われた想いがした。香りの余韻に、重い心がスーっと吸い込まれて行った。

會舘に行ったら、昨晩窓を閉め忘れて帰っていたらしく、朝弘さんの作品が雨にぬれて、染料が溶けてしまっていた。慌てて、再度印刷して貼り直す。なんだかんだやってたら、すぐに時間が経つ。明日のカレーを仕込まなきゃなとか思っていたら、友人達が揃って来てくれる。あまり話を聞けなかったな。どんな感じだったんだろうか。意外と、アートとか創作活動をしてる人の方が、感想を言ってくれないんだよね。黙って、さーっと見てる。明日聞いてみよう。

買い出しに行って、カレーの仕込み。玉葱を炒めていたら、妻が尾道駅に到着。仕込みをだいたい終えて、長江の家に戻る。晩ご飯はパスタ。結婚以来10日間も離れて暮らすのは初めてで、一人の生活は自由だなとか思ってたけど、やっぱり一人は寂しいなとも思って、久しぶりに会うと沢山しゃべった。

8月23日

今日はワークショップの日。朝に原君を迎えに尾道駅まで。11時から、まったりとワークショップが始まる。古い雑誌を使ったりしたフォトコラージュ。自我を離れた所に見つかる面白さ。原君面白いな。お昼ご飯を食べてから今度は、さかもっちゃんのワークショップ。皆でさかもっちゃんの作品を解体して再度何かに組み立てて行く。ワークショップって何か不思議な面白さがあるな。

カタログ見本が届く。何か本になると嬉しい。9月20日発売です。予約注文受け付けてるんで、ホント、皆に読んで欲しいな。夕方からカリーパーティー。尾道に来たらいっつもカレーを作ってる気がする。カレーの人的な感じで思われてるんじゃないかな。皆カレー好きだよね。沢山来てくれてありがとうございました。

原君、西ちゃん、wassa、さかもっちゃんがそれぞれに、展示のクリティークをちょっとずつやる。やっぱり作品の話って作家から聞くと何か、ストンと落ちるものがある。

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YES。に移動して夜風に当たりながら、ダラダラしゃべる。やっぱりここに来ないと尾道に来た感じにならない。もう明後日帰るんだけど。皆で長江の家に戻って、YES。の続き。何かいろいろあったなぁ。色々、有り過ぎると逆に書けなくなるね。写真多め。

8月24日

昨日深夜までしゃべり過ぎた。朝が眠いな。皆で朝ご飯が楽しい。次は何人かで滞在制作とか面白いだろうな。そういう時には、もう少しお金の事をどうするか考えなくちゃならないな。尾道は制作にはとても良い場所だと思うけど、そこでお金を生み出す事が出来ない。結局コミュニティが凄く小さいから、その範囲だけでお金をまわす事になってしまう。それでは、あまり意味がない。光明寺會舘を目指して、尾道以外からアートに触れに来るって言う状況が生まれるだろうか。例えば、今回僕らが尾道で展覧会をやる事で、尾道に足を運んだ人が、今度は別の機会に尾道に、そして光明寺會舘に足を運ぶようになるだろうか。そういうファンを獲得する事を目指さないとしたら、純粋に制作の為に光明寺會舘に来るというのは、どうだろうか。滞在費、會舘の場所代、そういったモノを考えると、その費用をペイする方法を作家自らが作品を売る事以外の方法で考えなくちゃならない。クラウドファンディングってそういう時にどうなんだろう。一度試してみようかと思う。

午前中から西ちゃんが、未来の自分にメッセージを残すというワークショップ。皆集中して制作していた。昼間に昨日カリフォルニアから帰国したばかりのキスミーが會舘に寄ってくれる。昼ご飯はみやちで天ぷら中華。そしてwassaのワークショップ。何てたって、今日は大爆発してたあおちゃんが素晴らしかった。夢中になる姿ってのは美しい。大阪から知り合いが来てくれたり、何か色々あったんだけど、やっぱり書き切れない。

向島のスーパーに寄って買い物をして、尾道で最終日の晩ご飯。

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8月25日

2週間お世話になった、長江の家。朝から妻が掃除をしている。ホント、掃除好きだよね。尾道でこれからゲストハウスやりたいとかって人、うちの妻をまず2週間程滞在させたら、驚く程快適な場所に仕上げてくれるんじゃないかと思いますよ。wassaと3人で朝昼兼用で冷蔵庫の食料を一掃。使い切れなかった食料品はゆうパックで自宅に送り返す。一人暮らしだとあまり食料を消費しないという事が分かった。というか、毎日大体似た様な食材で済ませてしまう。

ハライソに行って、吉崎さんに挨拶と思ったら、置いてあった漫画にはまってしまって、すっかり長居。そしたら、何とツアー中のmama! milk のお二人に遭遇。コウスケさんと、ユウコさん久しぶりだなぁ。しかも尾道で!とってもミラクルな事なんだけど、でも、この場所ならあるよね、という感じもした。

そして、會舘で亀ちゃんにかき氷を作ってもらって、ご挨拶。2週間お世話になりました。駅前で三上家とお別れ。尾道が来る度に近くなる。どうせ、31日にまた撤収に来るしね。それに10月にもツアーで来るし。

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家に帰ってきたら、何となく、自宅の匂いが少し変化しているような気がした。