いつから、音楽がただ単にパッケージングされた商品になってしまったんだろうと思う。音を飾り立て、上辺の詞を歌い、コラボだなんだ、それさえも今や話題性は全くない。これから先の人生で僕はもうCDを買う事などほとんど無いだろうと思う。

しかし、とあるきっかけで知る事となった、「白黒ミドリ」という少し変わった名前の、ごくありふれたトリオバンドのファーストアルバム「話の続きを」は、もう聴く亊は叶わないのではないかとさえ思っていた、ごくありふれた音楽と歌で溢れていた。

今の時代にこれだけシンプルに音と歌をCDというフォーマットに落とし込むのは至難の業だったのではないかと想像する。少し油断すれば、売れると良いなとか、綺麗な音にしたいとか、話題性をとか、コンセプチュアルにとか、とにかく付加価値を付けようという考えが湧いてきたはずだ。そうやって、多くのミュージシャン達は付加価値で添加された音楽、パッケージングされ均質化された商品を製造してしまう事になる。

そんな中彼らは、ただシンプルに今自分達がならすべき音、歌うべき言葉に正面から向き合い、丁寧に楽曲を作り演奏しそしてそれを一つ一つ録音していったのだろう。そうして、出来上がったアルバムは、普遍的なサウンドでありながらも、本来、人が誰しも等しく奇妙な存在である様に、何とも形容し難い不思議な感触と余韻を僕に与えてくれた。

それは、かつて、中学生だった頃にクリームやジミヘン、ニルヴァーナを初めてCDで聴いた時に感じた奇妙な愛しい様な違和感にも似ている。ひょっとしたらこれから、音楽は僕等の下に帰ってくるかもしれない。話の続きはもう僕等の手の中にきっとある。