にじゅうらせん

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アーティスト : もうひとり (三上清仁 + 小野環), 安部貴住
会場 : 家ie / 池田, 大阪
期間 : 2013.04.11 – 2013.04.28

2013年春。大阪は池田のギャラリー「家ie」にて展覧会を企画しました。

もう、展覧会からは大分時間が経ってしまったけど、一応ここに記録として残しておく。こんな風にしたいと思っていた様に、展覧会は何とも説明のし難い、 一見よく分からない物になっていた。嵐の中、野外の無花果の木に必死で設置されたセイタカアワダチソウは、展覧会期間中ほとんど誰にも気付かれる事なく、 そして期間終了頃にはすっかり茂った新緑の葉っぱの中に埋もれる程になっていた。その様子がこの展覧会の全てだった様に思える。そこに、確かに存在してい る物は、確かに僕等の網膜には映っているはずで、けれど、誰もそれには気付かずに通り過ぎてしまう。それで良いのだろうと思う。注意深く全ての面白さを認 識して、記憶に留めて行けば、僕のちっぽけな脳みその容量なんてあっと言う間にキャパオーバーになってしまう。いつか、どこかで、「あぁ、この感覚を私は 知っている。」と思ってくれる事があれば、それで十分だ。

 

以下は展覧会にあたって記した雑記。

 

【展覧会について】
感動的!とか衝撃的!とか、観て聴いて感覚として一瞬の内に理解出来る表現の伝わる速度は速い。世の中は、感動的で衝撃的で、今この時この僕を、瞬間的に満たしてくれる物で溢れている。現代アートとして括られる物を測る一つの物差しとして、「分かる」「分からない」が用いられる。難しいとか、よく分からないと言われがちな現代アート。で も、そもそも、アートを分かったり、そこに価値がないとダメなんだろうか?皆、結果をすぐに求め過ぎてやしないか?別に感動的でなくとも、衝撃的でなくと も、よく分からなくたって、そういう物が存在したって良いだろう。僕は、その物を作った本人ただ一人にしか理解し得ない、ただ一人のためのたった一つの世界を、静かに祝福したい。ひょっとしたらこの小さな展覧会が、数年後のあなたを、どこかの誰かと引き合わせてくれるかもしれないのだから。

 

【出展作家について】
・関西圏以外に住む作家を招いて展覧会を開催する事
・個展ではなく、2組若しくはそれ以上のグループ展を開催する事
・参加する作家は、それぞれがお互いに面識がない事
・会場となる家ieには、一見フィットしなさそうな作品を作る作家である事

 

大体、以上の様な条件に考えた結果、安部貴住ともうひとり(小野環+三上清仁)という2組に声をかける事となった。安部貴住の作る物は、一見シンプルでミ ニマムな無機的に見える様な作品だが、製作の過程で、植物、光や風、音、といった自然を取り込み、一貫してcirculate(循環)というテーマのもと に作品を制作している。そして、もうひとり(小野環+三上清仁)という尾道を拠点に活動するアートユニットは、建築物や物の存在を抽出して、別の空間に移 すという様な作品を作っている。例えば、尾道に点在する空き家の外壁を写し取り、別の場所の空間で再現、再構築するという様な作品だ。