明日の事を考える。明後日の事を考える。一週間後の事を考える。1ヶ月後の事を考える。そうやって、1年後、5年後、10年後、20年後、50年後。友人達は元気に暮らしているだろうか。子供はいるだろうか。孫はいるだろうか。自分の住む町の事、旅で訪れた町の事、海の向こう友人の住む町の事。出来るだけ遠い地と時間の事を考えるという事は、現在の自分自身を深く見つめ直すという事ではないか。色々な事に想いを巡らせるうちに、色々な事を経験するうちに、大阪府の南部に位置する千早赤阪村という小さな山間の村の放置人工林を再生させるプロジェクトを始める事となった。
日本の総国土面積3800万haのうち森林面積は2500万haで約67%を占めている。ただその2500万haのうち、40%にあたる1000万haは人工林が占めている。これは、ほとんどが戦後に植えられた杉、檜、松などで、比較的成長が早く、建材等への利用を見込まれ植えられた針葉樹林だ。この人工林は成長していくに伴って間伐をしていく必要があるのだけれど、安い外国産材の影響で国内の林業は採算性が悪化し、さらに林業に携わる人達の高齢化も重なって、人工林が放置されているケースが増えている。こうして放置され荒廃した人工林を、間伐作業等をする事で広葉樹林化し、生物の多様性を確保し、またCO2の削減等の為に森林再生をしようと活動している。
大阪府下にも約56600haの森林があり、これは府域の約1/3にあたる。このうち、規模は小さいけれど、奈良との県境にほど近い大阪府南部の千早赤阪村の森林約1haの再生のプロジェクトを大阪府とNPO里山倶楽部の支援の元始める事になった。今は荒れて光も届かず薄暗い森林だが、5年も活動を続けると見違える様な明るく生き物も多い森林になるという。普段、都会のビルの中でパソコンに向かう様な日々で、植物や他の生物と共生している事をなかなか実感出来ない。そして、僕は小さい頃から、海辺に暮らしていて、どちらかと言うと山より海の方が好きだった。山や土や木は僕にとって未知の世界だ。山林を通してどんな世界を感じるのだろう。5年後を想像して少し楽しくなる。
<2009.06.25>
山を外から眺めるだけでは分かりにくいけれど、少し中に入ると、異様な光景。間伐作業が行き届かず、密になり過ぎた木々の下の方まで光が届かない。下草は生えず、そのために降った雨を蓄えが効かず、土もスカスカと軽い。生き物の気配がしない。
もともとは雑木林だったところを、数十年前に一斉に伐採してしまいミカン畑にしたらしい。その後、輸入自由化の影響でミカン栽培が儲からなくなると、それを再度伐採してしまい、建材用に杉や檜を植林した。ところが、その後、安い輸入材の影響で林業の採算性が悪化し、さらに森林を整備していた人も歳をとり、ついには放置されてしまったのだ。
何だか、とても寂しい森に見えた。木々は一度植えられると、枯れるまでどこにも動く事は出来ない。人間の勝手な都合で、植えられたり、切られたり、放っておかれたり。人間てのは、お金のためなら本当に無茶な事をするもんだ。この荒れ果てた森林も、数百年もすれば、人類が滅び、元の姿を取り戻すのだろう。でも、人が勝手な事をして荒らしてしまった場所のうち少しくらいは、自分の生きているうちに元の様子に近づけておきたい。山なんてそもそも、誰のモノでもなかったはずなのに。いつの間にか私利私欲の為に所有してしまったのだ。もう一度、多くの人達で関われる場所にしていきたい。
<2009.06.29>
ついに間伐作業が始まりました。
NPO里山倶楽部の方が、木の切り方をみせてくれる。
切り倒した木を使って、実際ののこぎりの扱い方を練習。
さっきまで、地面に生えていた木の感触は、今まで切った事のある材木とは全く違った。
刃を入れていくと、ジャリジャリとした感触。あぁ。さっきまで生きていたんだなと実感する。
皮をはぐと水がしたたる。すべすべとしている。
木とはこういうモノなのか。
実際に切り倒す作業。
受け口という三角系の切れ込みを、木を倒す側に入れる。
反対側から追い口を入れて行く。
ある程度までいくと、自重で受け口側に倒れる。
倒れる直前に今まで聞いた事のない音を聞いた。
音にならない音。
音になる寸前の音。
キィーンという高周波。
木のこすれる音だろうか。何だろう。
そんな音を感じたと思ったら、木が傾きだす。
乾いた細い枝が隣の木々の幹を打つ音。カンカンと。
そして一気に倒れる。
ドーン。
細い木でも、凄い重量なのだろう。
衝撃が山を伝わる。
木々の間から光がスッと入ってくる。
20本程度を切っただけなのに、森が急に明るくなったようだ。
<2009.09.30>
2009年より始まった森林再生プロジェクトですが、数回の間伐作業で暗かった森には光が入り、新しい芽吹きも見られる様になってきました。また間伐材を使った額縁の制作等も始めています。
これからも、間伐作業や整備を行い放置人工林の再生プロジェクトを進めていく予定です。間伐体験や、森の中でのワークショップ等このプロジェクトに参加をしてみたいという方は是非ご連絡を頂ければと思います。
▼興味のある方は、下記の項目をご記入の上ご連絡下さい。
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- 興味のある事 (間伐作業、ワークショップ、間伐材額縁等)
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